★「だって、大輔やもん」 恩師も期待せずにはいられない、高橋大輔の“夢を見させる力”
[THE ANSWER (著者 : 小宮 良之) 2022.02.22]
連載「名伯楽のフィギュアスケート論」第6回、限界を超えるたびに強くなった姿
隆盛を極める近年の日本フィギュアスケート界には、次々と新たな才能が頭角を現している。北京五輪でも男子シングルで鍵山優真が銀メダル、宇野昌磨が銅メダル、女子シングルでは坂本花織が銅メダル、そして団体でも史上初めて銅メダルを獲得と、素晴らしい結果を手にした。
そうした成功の土台を作った1人と言えるのが、数々のスケーターを育ててきた長光歌子コーチだ。高橋大輔を中学時代から長年指導し、2010年バンクーバー五輪での日本男子初の銅メダル獲得に導いた。そんな歴史を築いた名伯楽が語る「フィギュアスケート論」。今回は夢を見せることができるスケーターだったという、高橋の才能について改めて振り返る。
「(高橋)大輔は(試合の後に)死んだように寝ていることが多くて」
長光歌子コーチはそう言って、フィギュア日本男子におけるパイオニア、高橋大輔の戦いの真実を語った。
「試合の次の日は、起き上がることができないほどになるんです。本当に死んでいるんじゃないかって、心配になるほどでした。(アイスダンスの)マリーナ(・ズエワコーチ)はそれを知らなかったから、びっくりしたようですね。そこまで(力を使い果たせる領域に)“行ける”というのが、一つの才能だと思います。ほとんどの選手はそこまで行けないので」
“死線”を越えられる。そうやって強くなれるのが高橋の才能だった。そこまでやり抜くことで、人々に夢を見せられた。
「ファンの方には、ジェットコースターって言われているくらいで、(競技人生は)アップダウンですよ。でも、“そんな物語を書いたら臭いな”って思うことをやってのける、次の予感を抱いてしまう、そんな選手ですね」
長光コーチは小さく笑って、一つ髪をかき上げた。
不世出の日本人フィギュアスケーター、高橋の実像とは?
――日本人男子初の五輪メダル、同じく世界王者まで勝ち取って、3度の五輪に出場。4年ぶりの復活で全日本選手権2位、転向2シーズン目のアイスダンスで日本人歴代最多得点を立て続けに塗り替える。高橋選手は、これだけのことをやってのけても謙虚で偉ぶらない。
「大輔は自己評価が低くて、自信なさそうなことを言うんです。でも、なんかやるんじゃないかっていつも思ってしまう。アイスダンスに転向した時も別競技だし、関係者が聞いたら鼻で笑う挑戦だったかもしれません。でも、彼に関わったことがある人は、いけるかもね、と思ったはずで。大口は叩かないのに、何かやるって思わせるものを持っているのは凄いなって思います。『だって、大輔やもん』って(笑)。彼は夢を見せてくれるんです」
――昔から自己評価は低かったのですか?
「世界ジュニアで優勝した後、シニアに挑戦するようになったんですが、自信がなくて最初は上手くいきませんでした。テレビで見て、“凄い”と思っている人たちとの試合で、(リスペクトしすぎて)太刀打ちできないってなって。『あなたは凄いものを持っているんだから』と励ましても、自己評価が低かったですね。ちょっと勘違いしてくれたらいいし、勘違いしそうなもんじゃないですか? でも、彼はまったくそれがないんです」
――一方で、スケートそのものに対する取り組みは非常に挑戦的でした。
「そうですね。バンクーバー(五輪)の時も、『4回転を外していたらメダルの色が変わったでしょ?』って言われることがあるんですが、私たちは思いもしませんでした。(3回転か4回転か)協議するも何も、“やるもんだ”ってみんな思っていました。チームとしてやるんだって当然のように。(膝の怪我をする前まで)跳んできたジャンプで、復帰してから(日数が)短かったじゃないですか? もしかしたら、今日は跳べるかもしれないって過ごしてきて、“オリンピックの日がそれに当たる”とバカみたいですが、それに懸けたくなってしまったんです。大輔だったら、本番でパチンと行くかもしれない、チャレンジさせたいって。そう思わせる何かを彼は持っているんです」
――フリーの冒頭、4回転トウループは惜しくも失敗しましたが、その姿勢は世界で高く評価され、銅メダルも獲得しました。
「時代背景を説明すると、“4回転を3回転にしたほうが賢い”っていう考え方だったんです。私もそれはよく分かっていましたが、大輔がやりたいって思っていたし、そこを抑えて無難にやるより、チャレンジさせたいなって。他のコーチだったら、出場メンバーを見て、やめさせていたかもしれません」
――長光先生だったからこそ、高橋選手の物語ができた気もします。
「私は無茶ぶりをしてきただけで(笑)。夢を見させてもらったと思っていますよ。コーチが自分でなかったら、違ったこともあったのかなと思います。ドルトムントの大会(2004年世界選手権)で、タチアナ(・タラソワ)も(コーチに)ついて、大輔はものすごく調子良かったんですが。朝の練習後、私が何も考えず4回転を跳ばせる気でいたら、『ここはやめさせたら?』って彼女が言うんです。“そんな感覚なの? 恐れずにやればいいじゃん!”と私は思っていて(笑)。それで成功した時、彼女もすごく喜んでいましたね」
◆髙橋大輔-2004Worlds LP、K&C
――高橋選手のスケートは、その表現に広がりを感じます。それが多くの人に愛される理由かもしれません。
「大輔はリンクで物語を演じる感覚はなかったようです。バンクーバーオリンピックの『道』も、『映画、一回見たら?』と私は勧めたんですが、彼は曲からインスピレーションを受け、頭で考えるよりもフィーリングを大事にしていて。物語のあらすじは分かっているし、道化師のところとか、演じてはいるのですが。お客さんに『こう見て欲しい』よりも、『どう感じるか、好きにしてくれ』って押し付けない。あの映画って最後は悲劇というか、ちょっと救いようがないじゃないですか? でも大輔の演技は曲から感じられるものだから、人生賛歌のようなもので、救いがあって希望が見えると思うんです」
――高橋選手のプログラム、長光先生が一番のお気に入りはあるんですか?
「よく聞かれるんですが、みんな好きなんですよ。ただ、その場にいてすごく良かったと思うのは、札幌でのNHK杯(2011年11月)、ショートプログラムで演じた『イン・ザ・ガーデン・オブ・ソウルズ』で、本当に素敵でした。体のでき上がりも良かったんですが、“曲に体の細胞が全部反応しているわ!”って。その年の全日本は4回転トウループ+3回転トウループでノーミスでしたが、NHK杯の3回転+3回転のほうが好きですね」
(第7回へ続く)
◆20111019 Daisuke Takahashi
◆TAKAHASHI Daisuke 2011 NHK SP
長光歌子先生が語るシングル時代の髙橋大輔選手のエピソード、
連載記事の全文と関連動画も合わせてお借りしました。
“曲に体の細胞が全部反応している“という表現がまさにぴったりな
2011年NHK杯SPが歌子先生にとって一番のお気に入りとのこと、
久々に見てもやっぱりすごいと唸ってしまうほどの会心の演技でした。
研ぎ澄まされた感性と磨き上げられたスケーティングスキルによって
見る人の心に響く芸術的作品を氷上で生み出すことが出来るスケーター。
常に進化を求め挑戦し続ける姿は見る人にも指導するコーチや周囲の人たちにも
夢や希望を与えてくれる…それはアイスダンス転向後の今も変わらない魅力のひとつ。
歌子先生の言葉は指導者としての説得力があるのはもちろんですが
大輔ファン目線でもあるところが読んでいて嬉しく感じた部分でした。
楽しませていただいた連載記事も次回が最後になるとのこと、
取材し執筆された小宮さんには感謝しかありません。
今後もぜひ素敵な記事を読ませていただきたいなと願っています。
貴重なシングル時代の取材メモをシェアしてくださっている
朝日新聞記者さんのツイートもまとめてお借りします。
▼小宮良之 Twitter (2/22)
https://twitter.com/estadi14/status/1495938944500137986
https://twitter.com/estadi14/status/1496051173958512641
▼坂上武司 Twitter (2/19)
https://twitter.com/sakagamitak/status/1494698492341616641
https://twitter.com/sakagamitak/status/1494838581357322241
https://twitter.com/sakagamitak/status/1494840277110243328
https://twitter.com/sakagamitak/status/1494868955730968581
▼坂上武司 Twitter (2/20)
https://twitter.com/sakagamitak/status/1495185094994448388
▼坂上武司 Twitter (2/21)
https://twitter.com/sakagamitak/status/1495660171343044608
▼坂上武司 Twitter (2/22)
https://twitter.com/sakagamitak/status/1495856237652889600
https://twitter.com/sakagamitak/status/1495857217664610304
◆Daisuke Takahashi 2007年すぱもに
◆Daisuke Takahashi 2007 全日本前スポルトONアイス
★フィギュア大会後の「バンケット」って何? 選手にとって意外な“敵”との闘いとは
[THE ANSER (スペシャリスト:中野 友加里) 2022.02.19]
https://the-ans.jp/beijing-olympics-2022/222372/
※記事より抜粋
…「私が思い出深いのは2008年に行われたスウェーデンの世界選手権。バンケットとともにディスコのようなダンスがあり、選手みんなで踊っている。そういうダンスに苦手意識のあった私に高橋大輔選手が『一緒に踊りに行こう!』と誘ってくれるけど、いざ行ってみると私を放置して一人で踊っていらしたことも……(笑)。ほかにも、長いと明け方まで夜通しやっていたこともあります。成人している選手はアルコール類も用意されていたので、みんなで踊って、いつまでも盛り上がりました」…
★Марина Зуева — о серебре Тарасовой и Морозова, Валиевой и секретах танцоров
(マリナ・ズエヴァ、タラソワ・モロゾフの銀、ワリエワとダンサーの秘密について)
[РИА Новости Спорт 2022.02.20]
https://rsport.ria.ru/20220221/olimpiada-1774185242.html
※記事より抜粋して意訳
―あなたは現在、日本の村元哉中とシングルで2010年五輪銅メダリストになり2010年世界チャンピオンになった35歳の髙橋大輔の組を指導しています。その前には息子のフェドール・アンドレーエフとヤナ・ホフロワを組ませた経験がありました。ダンサーとして早急に再訓練するためにシングルスケーターはどのような資質を持っている必要がありますか?
「アリソン・リードと一緒にリトアニア代表として競技をするサウリウス・アンブルレヴィチウスについては言及していません。専門分野を変えるスケーターは、運動能力と音楽性を備えている必要があります。本物のダンサーになるまでにかかる時間は、アスリートの個々の資質によって異なります。タカハシは1年かかりましたが、今日ではすでに定評のあるダンサーだと誰もが注目しています。トップに立つには時間がかかります。…
◎「世界フィギュアスケート選手権2022」公式サイト
~Championnats du monde des sportde grace~
https://montpellier2022.com/en/home/
■PROVISIONAL SCHEDULE(暫定スケジュール)
https://montpellier2022.com/en/competition-3/program/
・3月23日(水)
女子SP 09:53~ ※日本時間 17:53~
ペアSP 18:30~ ※日本時間 26:30~
・3月24日(木)
男子SP 10:15~ ※日本時間 18:15~
ペアFS 18:00~ ※日本時間 26:00~
・3月25日(金)
アイスダンスRD 10:45~ ※日本時間 18:45~
女子FS 18:00~ ※日本時間 26:00~
・3月26日(土)
男子FS 10:55~ ※日本時間 18:55~
アイスダンスFD 17:05~ ※日本時間 25:05~
・3月27日(日)
エキシビション 14:30~17:00 ※日本時間 21:30~24:00(サマータイム)
◎ISU World Figure Skating Championships 2022
https://isu.org/figure-skating/events/figure-skating-calendar/eventdetail/12305/-/isu-world-figure-skating-championships?templateParam=11
■Announcement(タイムスケジュール記載あり)
https://isu.org/docman-documents-links/isu-files/event-documents/figure-skating-4/2021-22/championships-36/announcements-115/26106-isu-world-figure-skating-championships-2022-announcement/file
▼BSフジスポーツ【BSフジ公式】 Twitter (2/23)
https://twitter.com/bsfuji_sports/status/1496258506629935106
◇03月06日(日)17:00~17:55 BSフジ
「<BSフジスポーツセレクション>『フィギュアスケートTV!』」
今回は、日本選手が熱く戦った北京オリンピックと、未来のフィギュアスケート界を担う中学生スケーターが競い合った全国中学校スケート大会をお届け。そして今月開幕予定の世界選手権に向けたインタビューを、四大陸選手権後の村元哉中/髙橋大輔組に行った。さらに、今シーズンを最後に引退する選手の演技と声をお伝えする。
<出演者>
MC:八木沼純子
西岡孝洋(フジテレビアナウンサー)
https://www.bsfuji.tv/figuretv/pub/index.html
▼d1sk_t Instagram Stories (2/23)
https://www.instagram.com/stories/d1sk_t/2779347484738743051/
▼k.a.n.a.m.u.r.a Instagtram Stories (2/23)
https://www.instagram.com/stories/k.a.n.a.m.u.r.a/2779513188659990988/
かなだいから2月22日、猫の日のIGストーリー更新。
ズエワコーチのインタビュー記事や世界選手権のスケジュール情報もお借りしました。
3月の「フィギュアスケートTV!」では世界選手権に向けての
かなだいインタビューも紹介されるとのこと、放送を楽しみにしています!
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[THE ANSWER (著者 : 小宮 良之) 2022.02.22]
連載「名伯楽のフィギュアスケート論」第6回、限界を超えるたびに強くなった姿
隆盛を極める近年の日本フィギュアスケート界には、次々と新たな才能が頭角を現している。北京五輪でも男子シングルで鍵山優真が銀メダル、宇野昌磨が銅メダル、女子シングルでは坂本花織が銅メダル、そして団体でも史上初めて銅メダルを獲得と、素晴らしい結果を手にした。
そうした成功の土台を作った1人と言えるのが、数々のスケーターを育ててきた長光歌子コーチだ。高橋大輔を中学時代から長年指導し、2010年バンクーバー五輪での日本男子初の銅メダル獲得に導いた。そんな歴史を築いた名伯楽が語る「フィギュアスケート論」。今回は夢を見せることができるスケーターだったという、高橋の才能について改めて振り返る。
「(高橋)大輔は(試合の後に)死んだように寝ていることが多くて」
長光歌子コーチはそう言って、フィギュア日本男子におけるパイオニア、高橋大輔の戦いの真実を語った。
「試合の次の日は、起き上がることができないほどになるんです。本当に死んでいるんじゃないかって、心配になるほどでした。(アイスダンスの)マリーナ(・ズエワコーチ)はそれを知らなかったから、びっくりしたようですね。そこまで(力を使い果たせる領域に)“行ける”というのが、一つの才能だと思います。ほとんどの選手はそこまで行けないので」
“死線”を越えられる。そうやって強くなれるのが高橋の才能だった。そこまでやり抜くことで、人々に夢を見せられた。
「ファンの方には、ジェットコースターって言われているくらいで、(競技人生は)アップダウンですよ。でも、“そんな物語を書いたら臭いな”って思うことをやってのける、次の予感を抱いてしまう、そんな選手ですね」
長光コーチは小さく笑って、一つ髪をかき上げた。
不世出の日本人フィギュアスケーター、高橋の実像とは?
――日本人男子初の五輪メダル、同じく世界王者まで勝ち取って、3度の五輪に出場。4年ぶりの復活で全日本選手権2位、転向2シーズン目のアイスダンスで日本人歴代最多得点を立て続けに塗り替える。高橋選手は、これだけのことをやってのけても謙虚で偉ぶらない。
「大輔は自己評価が低くて、自信なさそうなことを言うんです。でも、なんかやるんじゃないかっていつも思ってしまう。アイスダンスに転向した時も別競技だし、関係者が聞いたら鼻で笑う挑戦だったかもしれません。でも、彼に関わったことがある人は、いけるかもね、と思ったはずで。大口は叩かないのに、何かやるって思わせるものを持っているのは凄いなって思います。『だって、大輔やもん』って(笑)。彼は夢を見せてくれるんです」
――昔から自己評価は低かったのですか?
「世界ジュニアで優勝した後、シニアに挑戦するようになったんですが、自信がなくて最初は上手くいきませんでした。テレビで見て、“凄い”と思っている人たちとの試合で、(リスペクトしすぎて)太刀打ちできないってなって。『あなたは凄いものを持っているんだから』と励ましても、自己評価が低かったですね。ちょっと勘違いしてくれたらいいし、勘違いしそうなもんじゃないですか? でも、彼はまったくそれがないんです」
――一方で、スケートそのものに対する取り組みは非常に挑戦的でした。
「そうですね。バンクーバー(五輪)の時も、『4回転を外していたらメダルの色が変わったでしょ?』って言われることがあるんですが、私たちは思いもしませんでした。(3回転か4回転か)協議するも何も、“やるもんだ”ってみんな思っていました。チームとしてやるんだって当然のように。(膝の怪我をする前まで)跳んできたジャンプで、復帰してから(日数が)短かったじゃないですか? もしかしたら、今日は跳べるかもしれないって過ごしてきて、“オリンピックの日がそれに当たる”とバカみたいですが、それに懸けたくなってしまったんです。大輔だったら、本番でパチンと行くかもしれない、チャレンジさせたいって。そう思わせる何かを彼は持っているんです」
――フリーの冒頭、4回転トウループは惜しくも失敗しましたが、その姿勢は世界で高く評価され、銅メダルも獲得しました。
「時代背景を説明すると、“4回転を3回転にしたほうが賢い”っていう考え方だったんです。私もそれはよく分かっていましたが、大輔がやりたいって思っていたし、そこを抑えて無難にやるより、チャレンジさせたいなって。他のコーチだったら、出場メンバーを見て、やめさせていたかもしれません」
――長光先生だったからこそ、高橋選手の物語ができた気もします。
「私は無茶ぶりをしてきただけで(笑)。夢を見させてもらったと思っていますよ。コーチが自分でなかったら、違ったこともあったのかなと思います。ドルトムントの大会(2004年世界選手権)で、タチアナ(・タラソワ)も(コーチに)ついて、大輔はものすごく調子良かったんですが。朝の練習後、私が何も考えず4回転を跳ばせる気でいたら、『ここはやめさせたら?』って彼女が言うんです。“そんな感覚なの? 恐れずにやればいいじゃん!”と私は思っていて(笑)。それで成功した時、彼女もすごく喜んでいましたね」
◆髙橋大輔-2004Worlds LP、K&C
――高橋選手のスケートは、その表現に広がりを感じます。それが多くの人に愛される理由かもしれません。
「大輔はリンクで物語を演じる感覚はなかったようです。バンクーバーオリンピックの『道』も、『映画、一回見たら?』と私は勧めたんですが、彼は曲からインスピレーションを受け、頭で考えるよりもフィーリングを大事にしていて。物語のあらすじは分かっているし、道化師のところとか、演じてはいるのですが。お客さんに『こう見て欲しい』よりも、『どう感じるか、好きにしてくれ』って押し付けない。あの映画って最後は悲劇というか、ちょっと救いようがないじゃないですか? でも大輔の演技は曲から感じられるものだから、人生賛歌のようなもので、救いがあって希望が見えると思うんです」
――高橋選手のプログラム、長光先生が一番のお気に入りはあるんですか?
「よく聞かれるんですが、みんな好きなんですよ。ただ、その場にいてすごく良かったと思うのは、札幌でのNHK杯(2011年11月)、ショートプログラムで演じた『イン・ザ・ガーデン・オブ・ソウルズ』で、本当に素敵でした。体のでき上がりも良かったんですが、“曲に体の細胞が全部反応しているわ!”って。その年の全日本は4回転トウループ+3回転トウループでノーミスでしたが、NHK杯の3回転+3回転のほうが好きですね」
(第7回へ続く)
◆20111019 Daisuke Takahashi
◆TAKAHASHI Daisuke 2011 NHK SP
長光歌子先生が語るシングル時代の髙橋大輔選手のエピソード、
連載記事の全文と関連動画も合わせてお借りしました。
“曲に体の細胞が全部反応している“という表現がまさにぴったりな
2011年NHK杯SPが歌子先生にとって一番のお気に入りとのこと、
久々に見てもやっぱりすごいと唸ってしまうほどの会心の演技でした。
研ぎ澄まされた感性と磨き上げられたスケーティングスキルによって
見る人の心に響く芸術的作品を氷上で生み出すことが出来るスケーター。
常に進化を求め挑戦し続ける姿は見る人にも指導するコーチや周囲の人たちにも
夢や希望を与えてくれる…それはアイスダンス転向後の今も変わらない魅力のひとつ。
歌子先生の言葉は指導者としての説得力があるのはもちろんですが
大輔ファン目線でもあるところが読んでいて嬉しく感じた部分でした。
楽しませていただいた連載記事も次回が最後になるとのこと、
取材し執筆された小宮さんには感謝しかありません。
今後もぜひ素敵な記事を読ませていただきたいなと願っています。
貴重なシングル時代の取材メモをシェアしてくださっている
朝日新聞記者さんのツイートもまとめてお借りします。
▼小宮良之 Twitter (2/22)
https://twitter.com/estadi14/status/1495938944500137986
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▼坂上武司 Twitter (2/19)
https://twitter.com/sakagamitak/status/1494698492341616641
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◆Daisuke Takahashi 2007年すぱもに
◆Daisuke Takahashi 2007 全日本前スポルトONアイス
★フィギュア大会後の「バンケット」って何? 選手にとって意外な“敵”との闘いとは
[THE ANSER (スペシャリスト:中野 友加里) 2022.02.19]
https://the-ans.jp/beijing-olympics-2022/222372/
※記事より抜粋
…「私が思い出深いのは2008年に行われたスウェーデンの世界選手権。バンケットとともにディスコのようなダンスがあり、選手みんなで踊っている。そういうダンスに苦手意識のあった私に高橋大輔選手が『一緒に踊りに行こう!』と誘ってくれるけど、いざ行ってみると私を放置して一人で踊っていらしたことも……(笑)。ほかにも、長いと明け方まで夜通しやっていたこともあります。成人している選手はアルコール類も用意されていたので、みんなで踊って、いつまでも盛り上がりました」…
★Марина Зуева — о серебре Тарасовой и Морозова, Валиевой и секретах танцоров
(マリナ・ズエヴァ、タラソワ・モロゾフの銀、ワリエワとダンサーの秘密について)
[РИА Новости Спорт 2022.02.20]
https://rsport.ria.ru/20220221/olimpiada-1774185242.html
※記事より抜粋して意訳
―あなたは現在、日本の村元哉中とシングルで2010年五輪銅メダリストになり2010年世界チャンピオンになった35歳の髙橋大輔の組を指導しています。その前には息子のフェドール・アンドレーエフとヤナ・ホフロワを組ませた経験がありました。ダンサーとして早急に再訓練するためにシングルスケーターはどのような資質を持っている必要がありますか?
「アリソン・リードと一緒にリトアニア代表として競技をするサウリウス・アンブルレヴィチウスについては言及していません。専門分野を変えるスケーターは、運動能力と音楽性を備えている必要があります。本物のダンサーになるまでにかかる時間は、アスリートの個々の資質によって異なります。タカハシは1年かかりましたが、今日ではすでに定評のあるダンサーだと誰もが注目しています。トップに立つには時間がかかります。…
◎「世界フィギュアスケート選手権2022」公式サイト
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https://montpellier2022.com/en/competition-3/program/
・3月23日(水)
女子SP 09:53~ ※日本時間 17:53~
ペアSP 18:30~ ※日本時間 26:30~
・3月24日(木)
男子SP 10:15~ ※日本時間 18:15~
ペアFS 18:00~ ※日本時間 26:00~
・3月25日(金)
アイスダンスRD 10:45~ ※日本時間 18:45~
女子FS 18:00~ ※日本時間 26:00~
・3月26日(土)
男子FS 10:55~ ※日本時間 18:55~
アイスダンスFD 17:05~ ※日本時間 25:05~
・3月27日(日)
エキシビション 14:30~17:00 ※日本時間 21:30~24:00(サマータイム)
◎ISU World Figure Skating Championships 2022
https://isu.org/figure-skating/events/figure-skating-calendar/eventdetail/12305/-/isu-world-figure-skating-championships?templateParam=11
■Announcement(タイムスケジュール記載あり)
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▼BSフジスポーツ【BSフジ公式】 Twitter (2/23)
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◇03月06日(日)17:00~17:55 BSフジ
「<BSフジスポーツセレクション>『フィギュアスケートTV!』」
今回は、日本選手が熱く戦った北京オリンピックと、未来のフィギュアスケート界を担う中学生スケーターが競い合った全国中学校スケート大会をお届け。そして今月開幕予定の世界選手権に向けたインタビューを、四大陸選手権後の村元哉中/髙橋大輔組に行った。さらに、今シーズンを最後に引退する選手の演技と声をお伝えする。
<出演者>
MC:八木沼純子
西岡孝洋(フジテレビアナウンサー)
https://www.bsfuji.tv/figuretv/pub/index.html
▼d1sk_t Instagram Stories (2/23)
https://www.instagram.com/stories/d1sk_t/2779347484738743051/
▼k.a.n.a.m.u.r.a Instagtram Stories (2/23)
https://www.instagram.com/stories/k.a.n.a.m.u.r.a/2779513188659990988/
かなだいから2月22日、猫の日のIGストーリー更新。
ズエワコーチのインタビュー記事や世界選手権のスケジュール情報もお借りしました。
3月の「フィギュアスケートTV!」では世界選手権に向けての
かなだいインタビューも紹介されるとのこと、放送を楽しみにしています!
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