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高橋大輔「フィギュアは何と言ってもプログラム」&コスチューム図鑑

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2010-2011シーズンの高橋大輔選手インタビュー記事、
フィギュアのプログラムや振付師、練習方法などについて大輔さんの思いが熱く語られています。
現在投票受付中のフジスケ「あなたの好きな振付師は?」投票企画にエントリーされている
振付師との貴重なエピソードも書かれてあって、とても読み応えがありました。
http://www.fujitv.co.jp/sports/skate/archive/2015092801/index.html
以下、記事文や画像を感謝してお借りします。



★高橋大輔「フィギュアは何と言ってもプログラム」
[日本経済新聞 インタビュー 2010/8/18 7:00]
http://www.nikkei.com/article/DGXZZO12740160T10C10A8000000/

 フィギュアスケートはスポーツの中でもちょっと異質な競技だ。高度な身体能力を必要とするだけでなく、音楽、振り付け、衣装など気を配らなければならないことがたくさんある。しかも、多国籍のスタッフと協力しながら、演技を練り上げていくのが日常的な光景だ。
 バンクーバー五輪の日本勢の活躍で人気は高まったが、意外に詳しくは知られていない世界。月に1度、同五輪の銅メダリスト、高橋大輔(関大大学院)がフィギュアについて解説する。初回のテーマは「何といってもプログラム」。


   

■プログラムに魅力があればみんな注目
 フィギュアスケートはシングルの場合、ショートプログラム(SP)とフリーの2つがあるけれど、どんなプログラムにするかというのが演技の中で相当な割合を占めている。だってプログラムが面白くなかったら、見る気がしないと思いませんか?僕もそうだから。
 ジャンプなどの技が必要なのは当たり前。表現力が加わればプラスアルファで演技がもっとよくなる。そしてプログラムに魅力があれば、みんな注目してくれるし、そのパワーは選手にも伝わる。

■選手も乗る
 そうしたプログラムが評判を呼び、世界で話題になると、選手も乗る。すると、さらにいいパフォーマンス、もっといい表現力が引き出されるものなんです。
 そういったプログラムの力を感じたのは、2007年に世界選手権で2位になったフリーの「オペラ座の怪人」と、バンクーバー五輪で銅メダルを取れたフリーの「道」でした。


■新ルールは毎年6月に発表
 毎シーズン、プログラムを作る際に考えるのは「どんなイメージ、ジャンルで滑るか」ということ。それがある程度固まったら、「どの振付師がそうしたイメージを出してくれるか」ということを考える。7月ごろまでにプログラムを完成させたいから、遅くても4月末には始動します。
 でも、新ルールは毎年6月に発表されるので、スピンは必要な秒数だけ決め、ステップも雰囲気だけ作って、ルール発表後に、修正している。練習するうちに、どうしてもできない部分やしっくりしない点も出てくるので、シーズン中でも手直しはします。

■振付師を変えるには勇気
 さて、今年のフリーは、昨季に続いてパスカーレ・カメレンゴ氏に振り付けを頼もうと決めていた。ジャンプの数が多いフリーの振付師を変えるのは本当に勇気がいる。2年前、ニコライ・モロゾフ氏からパスカーレに変えるのも大きな決断だった。
 もっとも05-06年シーズン、振り付けを頼む際にパスカーレかニコライか迷った末にニコライを選んだ経緯があるので、パスカーレにつくことについてはさほど不安はなかった。もう一つの理由は、組んで2シーズン目に良いものができることが多いから。07年の「オペラ座の怪人」もニコライと組んで2シーズン目の作品。


   

■SPはちょっと冒険
 今季のSPはちょっと冒険します。2つ作って、一つは03年世界選手権アイスダンス優勝の女性、シェイリーン・ボーン氏に振り付けを頼みました。シェイリーンは荒川静香さんのショーのフィナーレなどを手掛けたこともあり、「カッコイイ」と思って数年前から注目していました。
 もう一つは、06年トリノ五輪銀メダリストでバンクーバー五輪でも4位となったステファン・ランビエル(25、スイス)に振り付けを頼んだ。ステファンとはずっとライバルだったけれど、「振り付けで手伝えることあったら声をかけてね」と言ってくれたので、依頼しました。
 彼は振付師としては未知数で全く分からないから、かえって面白いと思った。好きなスケーターでしたし。

■3人の振付師は似ている
 パスカーレとシェイリーンとステファン。カラーは違うけれど、3人は似ていると思う。なんて言ったってダンスがうまい。ムチみたいに体がしなって……。表現はちょっと難しい。でも、ただきれいなだけでない魅力がある。
 それから、金妍児(韓国)の振付師、デービット・ウィルソン氏にも魅力を感じます。彼は「間」を上手に使う。彼が担当した08年世界選手権王者のジェフリー・バトル(カナダ)の作品が好きだった。ゆっくりした動きから、さっと動いて、またゆっくり。僕はそういった動きは苦手なので、1度一緒にやってみたい。ちなみに、スケート経験者でない人にフィギュアの振り付けは時間をかけないと難しいと思う。陸の上では可能でも、滑る氷上では不可能な動きというのがあるから。


   

■一度見れば、だいたい覚えられる
 曲は自分で選ぶ選手もいるけれど、僕は振付師に決めてもらっています。自分で選ぶとどうしても偏るし、彼らの方が音楽を知っている。シェイリーンには「ジャズ」とお願いしただけで、十何曲も用意してくれたので驚いた。
 振り付けにかかる時間は、1週間程度だと思う。自分では気づかなかったけれど、「覚えが早い」とよく言われます。一度動きを見れば、だいたい覚えられる。パスカーレとステファンは、「次はこういう方向に(振り付けが)行くだろう」と予測もついたのでやりやすかった。


■「もう一回お願い」
 シェイリーンの場合は大変だった。シェイリーン自身ができるので、パパッとやってしまう。「今、何やった? もう一回お願い」と何度か聞いた。動きも予測不可能で難しい。しかも、ちょっと凝りすぎていてなかなか進まない。いちいち細かいので、勉強になる。
  「とりあえず次に行こうよ」と何度も心の中でつぶやきました。振り返ってみると、僕が習った女性振付師にはそういう人が多かった。冒頭から順序立てて作っていく。途中で考え込んだかと思うと、ガーッと進んで、また考える。そういったことの繰り返し。プログラムの全体像が最後まで分からない。そこが面白くもある。


■ちょっと戸惑い
 男女の気質の違いかもしれない。男性の振付師は大抵、まず全体の枠組みを作って、後で中身を詰めていく。まずステップを作って、ここはこんな感じにして、あそこはこうしようっていう感じで。だから全体像は2日くらいで見えてくる。でも、女性振付師の場合はなかなか……。女性振付師につくのは5、6年ぶりだったから、正直ちょっと戸惑いました。
 振付師をする方は皆、アイデアが豊富。ステファンはショーのリハーサル中、曲を聴いただけで勝手に踊ってました。観察眼もあるのか、物まねが上手な人も多い。
 でも僕は全くだめ。アイデアも浮かばない。出されたアイデアの良しあしは分かるけれど……。僕は教える方が好きだし、振付師よりもそっちの方が向いていると思う。


■「練習、頑張ってね」
 今季のプログラムはこんな風にして3つとも完成しましたが、どれも本当に素晴らしい出来栄えです。今の心境は「試合までにちゃんと滑れるか?」という不安です。
 振り付け中は楽しいから、テンションが上がって体も動くので、それができてしまう。でも、次の日になったら、しんどくてできない動きもある。
 今はまだジャンプをプログラムから抜いても、全体を通してのいい演技はできません。もっとも、そんなにすぐ通せるようなものを振付師は作らない。どんなにいい振り付けができても、それが名プログラムになるかは選手次第。
 だから帰り際に、振付師は言うんだと思います。「練習、頑張ってね」って。


   



2003-2004年シーズンから2013-2014年シーズンまで、
大輔選手のコスチュームを図鑑のように並べてくださった素晴らしいサイトが。
以下のリンク先でじっくりご覧ください。



★高橋大輔 - フィギュアスケート・コスチューム図鑑 『高橋大輔』(Wiki)
http://seesaawiki.jp/w/costume_skating/d/%B9%E2%B6%B6%C2%E7%CA%E5



今朝も取り急ぎのお知らせまで。
コメントのお返しなど滞っていてゴメンナサイ。このところ心の余裕のない自分…
週末の大輔テレビ祭り(?笑)を楽しみに今日1日頑張ってきます!


    yocco


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