近年の競技会において引っ張りだこの振付師の一人に挙げられるブノワ・リショーさん。
ロシア、アメリカ、ヨーロッパ、日本のスケーターにも授けられた作品は数知れず。
その振付作業は新シーズンのスケート界を照らし出すプログラムたちに命を吹き込む…
大輔さんが表紙を飾ったフィギュア専門誌「PATINAGE 18JUL/AUG#155」、
リショーさんインタビュー記事のイントロダクションはざっとこんな感じ。
フランス語で書かれたインタビュー記事2ページ分が英文でも記載されていて、
大輔さんとの振付作業のカット写真も3枚、そのうちの1枚は
Patinage Magazine facebookでも見ることができました。
(現役引退発表が行われた7月1日の投稿写真7枚中の1枚:こちら)
今年6月、フランス・クールシュヴェルでのリショーさんと大輔さん。
共に過ごしたピュアな創作の時間についても語られていたインタビュー記事、
以下、リショーさんの言葉のざっくりとした部分和訳です。
新進気鋭の振付師ならではの仕事に対する考え方やその信念も興味深く感じました。
―世界のあらゆる場所でスケーターと仕事をしているあなたを拝見しています。
様々な文化間の違いにどんな配慮をしていますか?また、どう順応していますか?
「文化の多様性というのは途方もないもの。
日本のスケーターたちはアメリカやヨーロッパとは全く異なっている。
ミラクルな常套手段は僕は持ち得ていない。
どうやって順応するのか説明がつかない。
スケーターたちとの作業はハプニングがつきもの。
特定のスタイルとか方法とかはなく、そこにはピュアな直感がある。
日本人スケーターの振付作業には興味をそそられる、
なぜなら彼らはたいてい英語を話さないから(あるいは少ししか話さないから)。
感じたり分かち合ったりすることでその仕事に純粋さが生まれる。
また、日本人スケーターとは、ほぼ1日中かけて作業が出来る。
それはヨーロッパやアメリカの人たちよりもとても長い時間で、
日本人は決して疲れたとは言ってこない。アメリカ人相手だと無愛想には出来ず、
もう少し気遣いしないといけない。ヨーロッパ人なら考え直したり順応したり、
そんなことをする必要はない。自分もヨーロッパ出身だからね。
どんなスケーターも難しいもの、僕が合わせたり相手が合わせたりする。
共に音楽を聴き、僕が相手の身体や感情的な反応を観察する。
向こうも僕の反応を見て、それによってクリエイティブなものに仕上げていく…」
―日本人の美の概念は我々とはかなり異なりますが、
その感覚的な違いをどうやって乗り越えますか?
それによってあなたの仕事になんらかの変化が与えられますか?
「それは全く持って複雑な質問ですが、僕はこう思います。
日本人スケーターたちが僕のところにやってくるときは
彼らは自身の美の概念を永続させたいのではなく、
僕が振付にもたらすフランスのタッチを欲しているのだ、と。
僕自身も日本のファンで、日本のデザイナーや建築家や写真家が気に入っている。
非常にアバンギャルド(前衛的)な文化を彼らは持っている。
それなのにスケートや音楽、衣装やアイデアにおいては非常に保守的で
古典的なままなのは興味深いな、と。僕はずっとそのことに気付いていた。
僕のやり方はそれぞれがユニーク、それはスケーター1人1人がユニークだから。
氷の上で個性を発揮するため、振付はその人に順応するものでないといけない。」
―大輔は彼の演じる才能と非常に個性的な音楽的感性を開発しました。
あなたが振付したスケーターが与えられたステップの意図も感性も感じ取り
表現するために、あなたは何をしていますか?
「大輔との仕事はとてもオーガニックだった。
(生物の組織のような相互関連性があったという意?)
僕たちはたくさんの音楽を聴き、曲を選び、氷上でいくつかの作品を作った。
それらルールを考えない、純粋な創作だった。
僕たちはまた、じっくり自由に考えるオフアイスの時間をたくさん過ごした。
まず最初、彼は少しばかり混乱した。
彼は私の仕事の仕方が他の人とは非常に異なっていると言った。
少しずつ、毎日毎日、プログラムの形が作られていった。
適切な音楽を選択、その後は、動きの選択。
振付をしていくにつれて交流が深まって真のつながりを持つことが出来た。
僕たちは一緒に山の頂に登り、一緒に食事をし、いっぱい話をして、
たくさんの時間を共に過ごした。そうすることで温かい友情が構築された。
スケーターはみんなそれぞれ違っていて、説明が必要な人もいる。
大輔は僕に言ったのは、僕が望んだことや意図が何であるかを
説明するための言葉は必要ないということだった。
理由は説明できないけれど、これだけは言える。
僕たちが一緒に仕事をするときはとてもうまくいく!と。」
大輔さんの復帰初戦、近畿選手権のあとに関大リンクを訪れたリショーさん。
このツーショットの表情がインタビューの言葉とリンクしていて
2人の関係性を物語っているなぁと感じます。
https://www.instagram.com/p/Bo2mioIAKsX/
初タッグということもあり最初は戸惑いもあったらしい大輔さんですが、
徐々に打ち解けて順調に振付作業が進んで素晴らしい作品が出来上ったようですね。
一緒に山に登ったり食事をしている様子はリショーさんがInstagramのストーリーズに
以前UPしてくれていたのを拝見しましたが、お互いの関係性が本当に素敵で。
クールシュヴェルで過ごした日々がいかに充実したクリエイティブな時間だったか、
リショーさんのインタビューの言葉からも深く感じ取ることが出来ました。
音楽との融合性が見る者を魅了する大輔さんの氷上パフォーマンス。
新しい振付師とのコラボによって、これまで誰も見たことのない、
新しい「髙橋大輔選手」を魅せてもらえたことがとても嬉しかったです。
FS「Pale Green Ghosts」の初披露の場でもあった現役復帰戦。
その歩みをまとめてくださっています。感謝してお借りします。
◆D1SK☆詰め合わせSeason2
https://youtu.be/Dj4Szky9PDw
現役復帰した今シーズンは、国内の3大会のみの出場予定。
せっかくの素晴らしい2つの新プロを披露する機会がもっとあればいいのに…
とついつい思ってしまいます。試合観戦チケットも激戦中の激戦ですが、
どうかたくさんの大輔ファンがご希望される試合で応援出来ますように!
近畿選手権もイベントもハズレ、西日本は販売日に参戦すらできなかった私ですが
有り難いことに11月3日のチケットをお譲りいただける運びとなりました。
現地では精一杯応援してSPの演技をしっかり見届けてきたいと思っています!
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ロシア、アメリカ、ヨーロッパ、日本のスケーターにも授けられた作品は数知れず。
その振付作業は新シーズンのスケート界を照らし出すプログラムたちに命を吹き込む…
大輔さんが表紙を飾ったフィギュア専門誌「PATINAGE 18JUL/AUG#155」、
リショーさんインタビュー記事のイントロダクションはざっとこんな感じ。
フランス語で書かれたインタビュー記事2ページ分が英文でも記載されていて、
大輔さんとの振付作業のカット写真も3枚、そのうちの1枚は
Patinage Magazine facebookでも見ることができました。
(現役引退発表が行われた7月1日の投稿写真7枚中の1枚:こちら)
今年6月、フランス・クールシュヴェルでのリショーさんと大輔さん。
共に過ごしたピュアな創作の時間についても語られていたインタビュー記事、
以下、リショーさんの言葉のざっくりとした部分和訳です。
新進気鋭の振付師ならではの仕事に対する考え方やその信念も興味深く感じました。
―世界のあらゆる場所でスケーターと仕事をしているあなたを拝見しています。
様々な文化間の違いにどんな配慮をしていますか?また、どう順応していますか?
「文化の多様性というのは途方もないもの。
日本のスケーターたちはアメリカやヨーロッパとは全く異なっている。
ミラクルな常套手段は僕は持ち得ていない。
どうやって順応するのか説明がつかない。
スケーターたちとの作業はハプニングがつきもの。
特定のスタイルとか方法とかはなく、そこにはピュアな直感がある。
日本人スケーターの振付作業には興味をそそられる、
なぜなら彼らはたいてい英語を話さないから(あるいは少ししか話さないから)。
感じたり分かち合ったりすることでその仕事に純粋さが生まれる。
また、日本人スケーターとは、ほぼ1日中かけて作業が出来る。
それはヨーロッパやアメリカの人たちよりもとても長い時間で、
日本人は決して疲れたとは言ってこない。アメリカ人相手だと無愛想には出来ず、
もう少し気遣いしないといけない。ヨーロッパ人なら考え直したり順応したり、
そんなことをする必要はない。自分もヨーロッパ出身だからね。
どんなスケーターも難しいもの、僕が合わせたり相手が合わせたりする。
共に音楽を聴き、僕が相手の身体や感情的な反応を観察する。
向こうも僕の反応を見て、それによってクリエイティブなものに仕上げていく…」
―日本人の美の概念は我々とはかなり異なりますが、
その感覚的な違いをどうやって乗り越えますか?
それによってあなたの仕事になんらかの変化が与えられますか?
「それは全く持って複雑な質問ですが、僕はこう思います。
日本人スケーターたちが僕のところにやってくるときは
彼らは自身の美の概念を永続させたいのではなく、
僕が振付にもたらすフランスのタッチを欲しているのだ、と。
僕自身も日本のファンで、日本のデザイナーや建築家や写真家が気に入っている。
非常にアバンギャルド(前衛的)な文化を彼らは持っている。
それなのにスケートや音楽、衣装やアイデアにおいては非常に保守的で
古典的なままなのは興味深いな、と。僕はずっとそのことに気付いていた。
僕のやり方はそれぞれがユニーク、それはスケーター1人1人がユニークだから。
氷の上で個性を発揮するため、振付はその人に順応するものでないといけない。」
―大輔は彼の演じる才能と非常に個性的な音楽的感性を開発しました。
あなたが振付したスケーターが与えられたステップの意図も感性も感じ取り
表現するために、あなたは何をしていますか?
「大輔との仕事はとてもオーガニックだった。
(生物の組織のような相互関連性があったという意?)
僕たちはたくさんの音楽を聴き、曲を選び、氷上でいくつかの作品を作った。
それらルールを考えない、純粋な創作だった。
僕たちはまた、じっくり自由に考えるオフアイスの時間をたくさん過ごした。
まず最初、彼は少しばかり混乱した。
彼は私の仕事の仕方が他の人とは非常に異なっていると言った。
少しずつ、毎日毎日、プログラムの形が作られていった。
適切な音楽を選択、その後は、動きの選択。
振付をしていくにつれて交流が深まって真のつながりを持つことが出来た。
僕たちは一緒に山の頂に登り、一緒に食事をし、いっぱい話をして、
たくさんの時間を共に過ごした。そうすることで温かい友情が構築された。
スケーターはみんなそれぞれ違っていて、説明が必要な人もいる。
大輔は僕に言ったのは、僕が望んだことや意図が何であるかを
説明するための言葉は必要ないということだった。
理由は説明できないけれど、これだけは言える。
僕たちが一緒に仕事をするときはとてもうまくいく!と。」
大輔さんの復帰初戦、近畿選手権のあとに関大リンクを訪れたリショーさん。
このツーショットの表情がインタビューの言葉とリンクしていて
2人の関係性を物語っているなぁと感じます。
https://www.instagram.com/p/Bo2mioIAKsX/
初タッグということもあり最初は戸惑いもあったらしい大輔さんですが、
徐々に打ち解けて順調に振付作業が進んで素晴らしい作品が出来上ったようですね。
一緒に山に登ったり食事をしている様子はリショーさんがInstagramのストーリーズに
以前UPしてくれていたのを拝見しましたが、お互いの関係性が本当に素敵で。
クールシュヴェルで過ごした日々がいかに充実したクリエイティブな時間だったか、
リショーさんのインタビューの言葉からも深く感じ取ることが出来ました。
音楽との融合性が見る者を魅了する大輔さんの氷上パフォーマンス。
新しい振付師とのコラボによって、これまで誰も見たことのない、
新しい「髙橋大輔選手」を魅せてもらえたことがとても嬉しかったです。
FS「Pale Green Ghosts」の初披露の場でもあった現役復帰戦。
その歩みをまとめてくださっています。感謝してお借りします。
◆D1SK☆詰め合わせSeason2
https://youtu.be/Dj4Szky9PDw
現役復帰した今シーズンは、国内の3大会のみの出場予定。
せっかくの素晴らしい2つの新プロを披露する機会がもっとあればいいのに…
とついつい思ってしまいます。試合観戦チケットも激戦中の激戦ですが、
どうかたくさんの大輔ファンがご希望される試合で応援出来ますように!
近畿選手権もイベントもハズレ、西日本は販売日に参戦すらできなかった私ですが
有り難いことに11月3日のチケットをお譲りいただける運びとなりました。
現地では精一杯応援してSPの演技をしっかり見届けてきたいと思っています!
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